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新型インフルエンザのこれまで 3

2009 年 6 月 16 日 火曜日

国内での散発的な発生は相変わらずですが、「喉元過ぎれば…」なんとやらというほどに、多くの人の関心はよそに移ってしまったようです。

ここにきて、政府が行った検疫による「水際作戦」に対し、有効性や弊害の有無について言及する報道や発言が断片的に出てきているようですが、きちんと評価するにはもっと情報がほしいところです。

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さて、新型インフルエンザに関する気になった話題が4つほど。

 1. イギリスで患者1人死亡
 2. 国内事例から推計する基本再生産数(R0)=2.3
  (未成年に限ると2.8)[PDF]
 3. 兵庫県の集団発生事例で疫学的リンク不明は7件
 4. 新型インフルエンザの一部のウイルスに、
  人の間で流行しやすくなる変異が見られる、とする報告
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やや想定外だった新型インフルエンザ

2009 年 5 月 4 日 月曜日

■最初の分離から76年


当初、ブタインフルエンザ(Swine flu)とされていた病名は、風評被害等も配慮しWHOは、4月30日から「Swine-origin influenza A/H1N1」を新型インフルエンザの呼称とするよう改めました。
きょうは、これまでのことを踏まえ、すこし自分なりにインフルエンザウイルスにまとめておこうと思います。


インフルエンザは人間やトリ、ブタだけでなく、多くの哺乳類がかかります。ウマやイヌ、意外なところではクジラにも、です。

インフルエンザウイルスは大別するとA〜Cの3種類があります。私たち人からインフルエンザウイルスが最初に分離されたのは1933年のこと。A型でした。

インフルエンザウイルスの世界的大流行(パンデミック)として必ず名前が挙がる「スペインかぜ」が第一次大戦のころ、1918〜19年ですから、分離はその後ということになります。

過去にパンデミックの原因となったのは、すべてA型です。さらにA型は、ウイルスの表面粒子に突き出ている2種類のタンパク質(HAとNA)によって分類されます。

■新型は弱毒のH1N1のファミリー


今回の新型インフルエンザの「H1N1」というのは、HA(ヘマグルチニン)は1型で、NA(ノイラミニダーゼ)も1型を持っているタイプの仲間という意味です。
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