以前にも取り上げた子宮頸がん予防ワクチンの販売が本日からスタートしました。
しかし結局、保険適用は見送られ全額自己負担(公費負担なし)になりました。
販売が開始されたサーバリックスは半年間に3回の接種が必要で、合計で3〜4万円ぐらいかかることになるようです。
これでは普及は見込めないでしょう。
今後は、米国FDAですでに承認されている同種のガーダシル(万有製薬/メルク社)も国内承認される見通しで、ワクチンの選択肢も増える予定です。
経済状態が悪く、財政の厳しい報道がつづいていますが、いずれは安全性と医療経済効果をよくよく検討して、公費負担の方向へ舵を切ってもらいたいところです。
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どうしたって費用の高さがネック
2009 年 12 月 22 日 火曜日子宮頸がんの予防ワクチン、年内にも
2009 年 10 月 18 日 日曜日
ついにというか、やっと言うべきでしょうか。
先週16日に、子宮頸がん予防ワクチンの製造販売が正式に承認されました。これにより年内にも販売がスタートされると見込まれます。
国内第1号として認められたのは、グラクソ・スミスクラインの「サーバリックス」です。
年間3500人前後の女性が国内で命を落としていると言われる「子宮頸がん」。
そのほとんどはヒトパピローマウイルス(HPV)の長期感染が原因とされています。
一口にHPVといってもその種類は多く、現在では100種以上のタイプが見つかっており、多くは無害です。しかし一部のHPVは、好んで粘膜に感染し、発がんリスクを高めます。
とりわけ、子宮頸がんと深い関わりがあると指摘されているのが、HPV16、18型などです。
「サーバリックス」は子宮頸がんの病変から合算で7割程度という高頻度で検出されるHPV16、18型に効果があるとされます。
HPVは性交渉を介して感染を広げるため、低年齢でのワクチン接種が進めば、劇的に感染者を減らすことも可能です。
海外ではすでに数種類のワクチンが利用されており、ワクチンにもよりますが小学生〜10代を中心に学校や医療機関で接種されているようです。
ただし接種費用は、今回承認されたものの、公費負担するか否かについてはまだ決定されておらず、全額自己負担であれば3〜4万円はかかると言われています。
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新型インフルエンザのこれまで 2
2009 年 6 月 6 日 土曜日
日本国内における新型インフルエンザの感染状況は散発的になり、マスコミの報道も一時の過熱とうってかわり、潮が退いたように減っています。
現時点の概況を個人的に覚え書き。
———————————
■世界的状況
先月末ごろから、秋から冬に季節のかわる南半球での感染が拡大の傾向。WHOによる6月3日段階での発表によると、
・66カ国で19273ケース、死者117名を報告
・南半球の顕著な地域は、
オーストラリア(364→501)
アルゼンチン (37→131)
チリ (165→313)
※カッコ内は(5/29→6/3)の感染者数
・致死率
アメリカ 0.2%
カナダ 0.1%
メキシコ 1.9%
コスタリカ 2.0%
世界の報告数(6月3日 6時現在)
世界の流行地図(6月3日 6時現在)
■症状のひどさ
WHOによる6月2日のプレス・ブリーフイング(PDF)において「新型インフルエンザの重症度は『中程度』という評価が現時点では公平。健康な人もふくめて、いく人かについては致命的な結果で出ていることから『軽症』とするのはためらわれる」(一部抜粋)
とケイジ・フクダ事務局長補代理がコメント。
■国内状況
□感染状況
6月4日午前11時までの国内確定例は401。(成田空港検疫所で確認された8例は含まず)
国立感染症研究所感染症情報センター/FETPチームによる
神戸市・大阪府での疫学調査の暫定報告(6月5日)では、
[神戸市]
「PCR検査結果における陽性割合の推移においても、15~17歳を中心に当初は70~80%程度であったが、5月19日頃を境として顕著に減少傾向が見られ」
[大阪府]
「大阪府における新型インフルエンザ確定症例(84例のうち発症日が確認された81例)の流行(この場合は発症)は、5月17 日付近をピークに減少傾向となった」
いずれも
「終息傾向にあると考えられるが、引き続き注意深い監視と対応が必要」
□国内初の感染確認
厚生労働省の調査によれば5月5日、神戸市の男子高校生(渡航歴なし)
発症日別感染動向
□ワクチン製造
新聞報道等によると摂取開始時期は、10〜11月の見通し。日本で製造するワクチンの候補株は現在、CDC(2種)、ニューヨークメディカルカレッジ、オーストラリアから届いたものの4つ。このなかから1つに絞られる。
※国内のインフルエンザワクチン製造能力
財団法人阪大微生物病研究会/北里研究所/デンカ生研/財団法人化学及血清療法研究所の4団体が製造し、生産量はおよそ年間2800万本とされる。
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過去のパンデミックでは、第2波以降に死者数が増加したケースが目立ちます。
国内はひとまず終息傾向のようですが、今後が気になります。