‘ウイルス’ タグのついている投稿

子宮頸がんの予防ワクチン、年内にも

2009 年 10 月 18 日 日曜日

ついにというか、やっと言うべきでしょうか。
先週16日に、子宮頸がん予防ワクチンの製造販売が正式に承認されました。これにより年内にも販売がスタートされると見込まれます。

国内第1号として認められたのは、グラクソ・スミスクラインの「サーバリックス」です。

年間3500人前後の女性が国内で命を落としていると言われる「子宮頸がん」。
そのほとんどはヒトパピローマウイルス(HPV)の長期感染が原因とされています。

一口にHPVといってもその種類は多く、現在では100種以上のタイプが見つかっており、多くは無害です。しかし一部のHPVは、好んで粘膜に感染し、発がんリスクを高めます。

とりわけ、子宮頸がんと深い関わりがあると指摘されているのが、HPV16、18型などです。
「サーバリックス」は子宮頸がんの病変から合算で7割程度という高頻度で検出されるHPV16、18型に効果があるとされます。

HPVは性交渉を介して感染を広げるため、低年齢でのワクチン接種が進めば、劇的に感染者を減らすことも可能です。
海外ではすでに数種類のワクチンが利用されており、ワクチンにもよりますが小学生〜10代を中心に学校や医療機関で接種されているようです。

ただし接種費用は、今回承認されたものの、公費負担するか否かについてはまだ決定されておらず、全額自己負担であれば3〜4万円はかかると言われています。

(続きを読む…)

関連する記事

新型インフルエンザのこれまで 5
〜流行目前の気配

2009 年 8 月 19 日 水曜日

先週ごろから新型インフルエンザにまつわる報道がまた目立ってきました。

沖縄で国内初の死亡例が8月15日に確認されてから立てつづけに神戸、名古屋と3名の死亡例が明らかになりました。
いずれも糖尿病などの基礎疾患を抱えている高齢者という共通項を待ち、持病のある方は重症化しやすいという、かねてからの指摘が現実になった格好です。透析患者さんや糖尿を患っている方は免疫力が低下しているため、ハイリスク群とされていました。

前2例ではタミフルの投与も受けていますが、陽性判定までに時間がかかっていたような様子もあり、効果をあげることはなかったようです。

ほかにも衆院選の立候補者が感染で活動を控えたり、甲子園に出場する選手やプロ野球チームでの集団感染例も報道されており、感染拡大が顕著です。


現在、気象庁は異常天候早期警戒情報を出しており、8月23日〜9月1日について、「関東甲信、北陸、東海、近畿、四国で、平均気温がかなり低くなる確率が30%以上」と注意を促しています。

(続きを読む…)

関連する記事

新型インフルエンザのこれまで 3

2009 年 6 月 16 日 火曜日

国内での散発的な発生は相変わらずですが、「喉元過ぎれば…」なんとやらというほどに、多くの人の関心はよそに移ってしまったようです。

ここにきて、政府が行った検疫による「水際作戦」に対し、有効性や弊害の有無について言及する報道や発言が断片的に出てきているようですが、きちんと評価するにはもっと情報がほしいところです。

———————–
さて、新型インフルエンザに関する気になった話題が4つほど。

 1. イギリスで患者1人死亡
 2. 国内事例から推計する基本再生産数(R0)=2.3
  (未成年に限ると2.8)[PDF]
 3. 兵庫県の集団発生事例で疫学的リンク不明は7件
 4. 新型インフルエンザの一部のウイルスに、
  人の間で流行しやすくなる変異が見られる、とする報告
(続きを読む…)

関連する記事