日本国内における新型インフルエンザの感染状況は散発的になり、マスコミの報道も一時の過熱とうってかわり、潮が退いたように減っています。
現時点の概況を個人的に覚え書き。
———————————
■世界的状況
先月末ごろから、秋から冬に季節のかわる南半球での感染が拡大の傾向。WHOによる6月3日段階での発表によると、
・66カ国で19273ケース、死者117名を報告
・南半球の顕著な地域は、
オーストラリア(364→501)
アルゼンチン (37→131)
チリ (165→313)
※カッコ内は(5/29→6/3)の感染者数
・致死率
アメリカ 0.2%
カナダ 0.1%
メキシコ 1.9%
コスタリカ 2.0%
世界の報告数(6月3日 6時現在)
世界の流行地図(6月3日 6時現在)
■症状のひどさ
WHOによる6月2日のプレス・ブリーフイング(PDF)において「新型インフルエンザの重症度は『中程度』という評価が現時点では公平。健康な人もふくめて、いく人かについては致命的な結果で出ていることから『軽症』とするのはためらわれる」(一部抜粋)
とケイジ・フクダ事務局長補代理がコメント。
■国内状況
□感染状況
6月4日午前11時までの国内確定例は401。(成田空港検疫所で確認された8例は含まず)
国立感染症研究所感染症情報センター/FETPチームによる
神戸市・大阪府での疫学調査の暫定報告(6月5日)では、
[神戸市]
「PCR検査結果における陽性割合の推移においても、15~17歳を中心に当初は70~80%程度であったが、5月19日頃を境として顕著に減少傾向が見られ」
[大阪府]
「大阪府における新型インフルエンザ確定症例(84例のうち発症日が確認された81例)の流行(この場合は発症)は、5月17 日付近をピークに減少傾向となった」
いずれも
「終息傾向にあると考えられるが、引き続き注意深い監視と対応が必要」
□国内初の感染確認
厚生労働省の調査によれば5月5日、神戸市の男子高校生(渡航歴なし)
発症日別感染動向
□ワクチン製造
新聞報道等によると摂取開始時期は、10〜11月の見通し。日本で製造するワクチンの候補株は現在、CDC(2種)、ニューヨークメディカルカレッジ、オーストラリアから届いたものの4つ。このなかから1つに絞られる。
※国内のインフルエンザワクチン製造能力
財団法人阪大微生物病研究会/北里研究所/デンカ生研/財団法人化学及血清療法研究所の4団体が製造し、生産量はおよそ年間2800万本とされる。
———————–
過去のパンデミックでは、第2波以降に死者数が増加したケースが目立ちます。
国内はひとまず終息傾向のようですが、今後が気になります。
タグ: H1N1, Swine flu, ウイルス, パンデミック, ワクチン, 感染症, 新型インフルエンザ