ついにというか、やっと言うべきでしょうか。
先週16日に、子宮頸がん予防ワクチンの製造販売が正式に承認されました。これにより年内にも販売がスタートされると見込まれます。
国内第1号として認められたのは、グラクソ・スミスクラインの「サーバリックス」です。
年間3500人前後の女性が国内で命を落としていると言われる「子宮頸がん」。
そのほとんどはヒトパピローマウイルス(HPV)の長期感染が原因とされています。
一口にHPVといってもその種類は多く、現在では100種以上のタイプが見つかっており、多くは無害です。しかし一部のHPVは、好んで粘膜に感染し、発がんリスクを高めます。
とりわけ、子宮頸がんと深い関わりがあると指摘されているのが、HPV16、18型などです。
「サーバリックス」は子宮頸がんの病変から合算で7割程度という高頻度で検出されるHPV16、18型に効果があるとされます。
HPVは性交渉を介して感染を広げるため、低年齢でのワクチン接種が進めば、劇的に感染者を減らすことも可能です。
海外ではすでに数種類のワクチンが利用されており、ワクチンにもよりますが小学生〜10代を中心に学校や医療機関で接種されているようです。
ただし接種費用は、今回承認されたものの、公費負担するか否かについてはまだ決定されておらず、全額自己負担であれば3〜4万円はかかると言われています。
これは、いまの経済状況を考えると、どの家庭でも二つ返事で接種に行けるという金額ではありません。
この手の感染症は、接種率が十分なレベルに達すれば、撲滅に近い効果を上げることができますが、中途半端な接種率ではいつまでも経っても「いたちごっこ」。状況がいっこうに改善されないという事態に陥ります。
「はしか」などがいい例で、日本は「はしか」の輸出国として、先進国からブラックリスト扱いされている状況です。
少子化の観点からも、母子にいっそうのケアがあってしかるべきでしょうし、医療効果の観点から見ても、接種費用は無料か、それに近いかたちに決まってほしいと思います。
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