今年は、ガリレオによる望遠鏡での初の天体観測から400年目にあたる「国際天文年2009」ですが、ダーウィン生誕200年、そして「種の起源」発表から150年の節目となるダーウィン・イヤーでもあります。
それを記念して24日、ロンドンのクリスティーズで、初版本のオークションが行われ、10万3,250ポンド(約1,515万円)!で落札されたそうです。気になる落札者は匿名希望だとか。
ところで初版の発行部数は1,250部。
たった1,250冊ですが、後の生命観をガラっと変えてしまい、現代の「生物多様性」の視点にまでつづくわけですからスゴい話です。
(もっとも、世界にはいまだ「危険な書物」として進化論を教えないような土地もありますが…)
競売された初版本が見つかったのは、イギリス南部民家の客用トイレの本棚!でそうで、うーん、まさに掘り出し物。あるとこにはあるもんですね!?
ちなみに初版本のいくつかは日本にもあります。
以前、取材にお邪魔した金沢工業大学のコクション「工学の曙文庫」で、表紙をガラス越しに眺めたことがあります。さすがに手にすることは許されませんでした。(笑)
近畿大学図書館などにも蔵書されているようです。たぶん神保町辺りにも間違いなくあるでしょう。
しかし、いまは便利な時代になって、Googleで誰でも中身を覗くことができます。
オックスフォード大学ボドリヤン図書館所蔵の初版本をスキャンしたものです。
Google Booksの事業の進め方や著作権に関する考え方には、議論の「広大な」余地がありますが、こうした著作権切れの人類の遺産を手軽に見てとれるというのは、素直にうれしい驚きだと思います。
それにつけても1,500万円、ポンと一冊のためだけに出せるのが、庶民にとってはじつにうらめしい、もとい、うらやましい限りです。
…やっぱり年末ジャンボ、買おうかしらん。
(まさか、科学のロマンを感じるお話が、宝くじで夢を買う話になるとは…。(^^;ゞ )